温泉が体に良いということは、洋の東西を問わず古来より経験的に知られているところです。わが国では「古事記」、「日本書紀」あるいは各地の風土記などに温泉やその利用法が記録されています。
このように古い時代から医療的に利用されてきた温泉が、現在でも利用されているということは温泉の持つ多くの効果が人々によって体験されてきたからに他なりません。
しかし、温泉の持つ医治的効果やそのメカニズムの多くは、今も未解明な点が多いのもまた事実のようです。温泉医学は古くからの学問ですが、温泉療養効果については経験的、主観的評価にとどまっている場合が多いことも否めません。
ここでは、そもそも「温泉とは何か」という事と、温泉利用者や温泉提供者に関心が高い「温泉の医治的効果」について、これまでの研究で体系化された温泉の効果や温泉医療研究者の著書や関係書籍等から整理してみました。
この内容は、まだ充分とはいえませんが、温泉や温泉の医治的効果に対する理解の一助となれば幸いです。 |