山地、中山間地や平地に降った雨は、一部は表流水として水系に流出し、一部は地下に浸透し地下水となります。これらは相互にやり取りしながら徐々に陸域を流下して河川、湖沼および海域に流入し、それぞれの過程で大気中に蒸発して再び降雨となります。この連続的な一連のサイクルを「水循環(Hydrologic
Cycle)」といいます。
水文調査は、水循環過程のある部分での地下水および地表水に関する広範な情報を得ることにより、水の賦存・挙動・収支およびそれらの因果関係を明確にし、例えば地下水賦存量や建設工事などに伴う影響などを予測し、発生する施工的・経済的な諸問題を最小限に抑える事や、あるいは現実に問題が発生した場合の具体的な補償方法の検討などを目的に行われます。
水文調査には、多岐にわたる調査法が採られ、しかも長期間の調査・観測が必要で、目的および規模、調査段階毎に要求される内容・事項、精度などを充分に検討した上で行なう必要があります。 |